医療現場での働き方改革
2019年4月に導入されることになった働き方改革は、医師や看護師が活躍する医療現場にも例外なく影響がもたらされることになりました。そもそも働き方改革が導入されることになった背景として、多様な働き方を認めることによる労働力の確保や適正な労働環境の整備などが挙げられます。
残業時間の上限も、より厳格に設けられることになり、特別な事情がない限りは、その上限を超えることは許されません。残業時間は原則として、月に45時間で年間に360時間であり、人手不足の事業所では高いハードルになることが想定されます。
ただでさえ十分な数のスタッフの確保が難しい病院やクリニックでは存続の危機にもなりかねないため、慌てて対策に乗り出した医療機関も少なくありません。
全国の看護師の労働環境の実態を把握し、状況に応じて改善や指導などを行うのが日本看護協会です。同協会では導入された働き方改革に基づくさまざまなルールや規制を遵守することはもとより、看護師が安心して働ける環境づくりを目指して独自ルールの制定も行います。
2019年4月から適用された労働時間等見直しガイドラインでは、看護師にとって最も過酷な勤務ともされる深夜勤務の回数制限も盛り込まれました。このことにより、決して十分とはいえないものの、看護師の負担が一定程度軽減されたといえるでしょう。
その証拠として、高止まりを続けていた看護師の離職率に改善の兆しが見られます。1年間に最低5日の有給休暇取得の義務化とともに看護師の雇用環境改善への期待が高まります。